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「浮世絵の彫りと摺り」 (浮世絵を生んだ技術の探訪 第2回)

 
2008年9月10日、小津会館にて「江戸・東京文化講座:浮世絵を生んだ技術の探訪シリーズ第2回」として、『浮世絵の彫りと摺り』が行われました。

講師は上田真吾氏。現代ではきわめて数少ない若手の浮世絵摺り師です。
道具画像
上田氏画像
 
絵の具伸ばし画像
擦りつけ中画像
浮世絵は、版木の上に刷毛(はけ)で絵の具を伸ばし、そこに和紙を重ね、馬簾(ばれん)で擦り付けることによって印刷していきます。昔小学校などでやった版画と同じ原理ですね。


 
浮世絵多色刷り
ただ、浮世絵が西洋の版画と違う点は何色もの絵の具を重ね塗りする、いわゆる多色刷りの技術が可能な点。ご覧のように、次々と鮮やかに彩られていきます。
この多色刷りを可能にしたのは、必ず均一に水平に力一杯摺れるように鍛錬された摺り師の腕と、水を含んでもたわむことが少なく、強く何度も擦っても破れにくい和紙の特性・・・とのことです。
 
下絵画像
左の「輪郭線」だけの状態から始まって、最終的に右のような9色刷りが完成。見事なものです。

上田氏としてはこれでも満足のいく仕事ではなかったようですが(講義をしながら刷るわけですから当然ですね)、職人の素晴らしい技術を前にみな感動させていただきました。
浮世絵完成画像
 
集合写真
楽しく分かりやすい説明を聞きながら、目の前でどんどんと刷り上げられていく今回の講座は、普段とはまた一味違った楽しさがありました。質問もその場で随時行われ、実にテンポ良く和やかな雰囲気で進んでいったのが印象的でした。非常に密度の濃い2時間だったことをお伝えしてレポートを終わりたいと思います。

そんな今までとは一味違う「江戸・東京文化講座」、まだ第3回以降の定員に空きがあります。今からでも遅くありません、是非ご応募いただければと思います。
ちなみに次回、第3回講座も、体験型講座である「和紙・紙漉き」。今回のレポートを読んでちょっぴり後悔したあなた、次こそはお見逃しなきよう!

写真・文・構成:IJCEE 米原大介

 

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